読書+映画

あねどきっ

早速今週号のジャンプを読んだのであるが、「あねどきっ」に出てくる当て馬的少女「桜井さん」がとても可愛くて鼻血が出そう。キスしたという噂を消すために「一週間話さない」という提案を主人公にするのですが、その会話には、現実でもし起きたら一発で惚…

NN-891102

端的に言えば原爆の話なのですがどうもそういうストーリの細部をしっかりと見せていくというよりは、映像美を追求しているという作品。監督自身がミュージッククリップ畑出身らしいので、そういうところが影響しているのかもしれません。しかしながら、その…

ねじ式

つげ義春の同名漫画をアンダーグラウンド映画界では有名な石井輝男が映像化した作品。実は二度目だったりするのですが、毎度のこと石井氏の作品には驚かされるばかり。見るのは二度目で驚くのも二度目、そんな映画はあまりないです。石井輝男といえば怪奇的…

はちみつとクローバー(映画)

余りにも怠惰な生活が過ぎているということで、渋谷に映画鑑賞と洒落込んだところ、「はちみつとクローバー」なる映画がやっていたので見ることにした。漫画では読んでいたこともあり元々興味はあり見ようと思っていた。原作ありの映画が面白かったことは殆…

SURVIVE STYLE 5+

久しぶりに自らの映画観を変えさせるような映画に出合った。余りにスタイリッシュで美しい映像と最後まで考えさせる哲学性に、鑑賞途中に失神するかと思ってしまうほどの出来、或いは失禁。 「この世界に於いて貴様の役割はなんだ?」 と殺し屋が延々と殺す…

姑獲鳥の夏(映像化ヴァージョン)

特撮で有名な方が監督であり、キャスティングは超豪華であり、原作は最高峰の小説であり、失敗はなんてあるはずないよね、なんて実際は誰も思っていなかったわけですが、どうみても失敗、特撮的な観点から見るとどうなのかは判りませんが、京極氏自身も「映…

「ハミザベス」栗田有紀

ハムスターにエリザベスという名前を付けようと試みるんだけど、ちょっとばかりそれはエリザベスに対して失礼、というかハムスターには立派過ぎる、ということでハミザベスと名付けられましたよハムスター。正直なことを言いますと、無駄な時間を過ごした感…

町田康「浄土」

作風がパンク認定を受けて以来、大分小説自身の中身もそれに近づきつつある町田康ですけど、「犬死」あたりは「パンク侍斬られて候」あたりの流れを踏襲したという感じで、僕は好きになれません、というよりもラストに「自分の群像」なんてコテコテの文学作…

麻耶雄嵩「夏と冬のソナタ」

新本格といわれるミステリの旗手でもある麻耶雄嵩の二作目、信じられないほど詰め込まれたキュビズムに対する描写と、それが表す人間の客体性は、もはやミステリという枠組みでは語れない一つのジャンルを創り上げている。 『白鳥は 哀しからずや空の青 海の…

白石一文「私という運命について」

白石一文と云えば「一瞬の光」で華々しくデビューしたあとは「僕の中の壊れていない部分」などヒットを連発させていまして、そろそろ大物認定されそうですけれども、正直僕は「一瞬の光」以外の作品のどこがいいのか判らない。というのも、彼の作品は全て同…

ノミソング

渋谷駅から青山方向へ歩き246号線とぶつかった辺りにある糞ミニシアターで「KLAUS NOMI(クラウスノミ)」のドキュメンタリー映画を見てまいりました。映画としては二流、しかしやはり「ノミ」の圧倒的なパワーと破綻していく人生を辿ると自然に涙が出て…

入院中とその前後

多すぎるので、また明日にでも心に引っかかりを持ったものだけ取り上げます。 □読書「社会主義下の人間の魂」オスカー・ワイルド 「私という運命について」白石一文 「死者の驕り・飼育」大江健三郎 「おさらい生物学」藤田広一郎 「シュガータイム」小川洋…

フランソワーズ・サガン「逃げ道」

これまで読んだサガン作品と対して変わらない状況設定で、フランスの上流階級と下層民が戯れ交流していく人間関係を描いた喜劇、サガンにしては珍しく笑いに重きを置いているな、と妙な感慨を抱いていたのですが、最後にあの結末を持ってくる為だったのか、…

黒猫・白猫

「アンダーグラウンド」でカンヌを受賞し一気にメジャー化した「エミール・クストリッツァ」監督作品。持ち味は変わらずジプシーを主眼に置いたものですが、今回は喧騒と音楽を融合させた人間喜劇、殆どの出演者を本物のジプシーが演じる綜合的な雰囲気と、…

佐藤友哉「鏡姉妹の飛ぶ教室」

図書室での順番が三ヶ月くらい待ってやってきまして、前作「クリスマステロル」というメタ小説に太宰の感覚を感じ取っていたのでかなりの期待を込めてて読んだのですが、糞、以上。

16歳の合衆国

見忘れていた話題作を今更鑑賞しました。一人の高校生が障害者の子供を殺してしまった理由を、時系列を過去現在と互いに追っていくストーリーで、人間の弱さから起こる裏切りや差別、そこから更に生まれていく哀しみを浮き彫りにしていく人間劇。各所に埋め…

冬目景「僕らの変拍子」

学校帰りに買いました「冬目景」の短編集。冬目景の味わい深さは、表題作を含めた「淡く消えていく日常」というようなところにあると思う。続いていく日常の中で、その人が望む望まないに関わらず消えていく何か、例えば一瞬の煌きとか。「幽霊のいるまち」…

埴谷雄高「死霊Ⅰ」

たまたま神保町の古本屋を回っていた時に見つけた「死霊」の初版本、四章まで買いましたが、その後文庫化されたのを知って悲しみまして(本当は喜ぶべきなのですが)読んでいなかったのですが、やっと昨日読み始めました。一章を読了したのですが、正直今の…

あの夏、一番静かな海

北野武。「ソナチネ」→「HANABI」→「BROTHER」→「DOLLS」→「座頭市」と観てきまして、段々可哀想な作品になっていく北野武の姿を追ってきたわけですが、一度戻ってみましたらやはり素晴らしかったです。この辺りの彼の才能には目を見張るものがありますね。…

ヘッセ「デミアン」

日本では「車輪の下」が圧倒的に有名な「ヘルマン・ヘッセ」ですが、実は「デミアン」が最も高いセールスを記録しています。その「デミアン」すらも読んでいない自分に辟易しながらもじっくりと読みました。素晴らしかったです。陰と陽の世界の狭間で揺れ、…

インターナルアフェア2

やっと「2」を観ました。「1」と比べてどうかと思いましたが、そこそこ楽しめたかなと。まだ「3」を観てないのでなんとも言えませんが、マフィアのボスを殺した動機などが薄いのが少し気になりましたが、全体的には及第点でしょう。マフィア側と警察側、二つ…

正岡子規「子規人生論集」

随筆文は基本的に読まないのですが、時代背景などを探る為に古いものは読みます。「子規人生論集」からは、若くして故人となられた正岡子規の文壇を一層していく気概と、彼なりの人生観を読み取ることが出来、中々悪くない。正岡子規ファンなら必読。特に僕…