フランソワーズ・サガン「逃げ道」

逃げ道 (新潮文庫)

これまで読んだサガン作品と対して変わらない状況設定で、フランスの上流階級と下層民が戯れ交流していく人間関係を描いた喜劇、サガンにしては珍しく笑いに重きを置いているな、と妙な感慨を抱いていたのですが、最後にあの結末を持ってくる為だったのか、と納得。

サガン一流の身のこなしなのか、それとも単なる失敗なのか、それはよく判りませんが、周到に用意されたかのように思われた結末は意外に軽快、割と軽く読めてしまう辺り結構好みだったりします。