ヘッセ「デミアン」

日本では「車輪の下」が圧倒的に有名な「ヘルマン・ヘッセ」ですが、実は「デミアン」が最も高いセールスを記録しています。その「デミアン」すらも読んでいない自分に辟易しながらもじっくりと読みました。素晴らしかったです。

陰と陽の世界の狭間で揺れ、些細なことで傷つき自らを貶める少年期、そこにはヘッセが何か違う自分へと転換していこうともがく姿が容易に想像できます。三章以降の現代批判も結局はその「陰と陽」という、人間がカテゴライズされ続ける二つの極の意義へと繋がっていくのです。