油日記

「PROJECT!3」さんに「絶望の世界」の元ネタを読めと言われまして、なんのことだか良く判らなかったのですが、苦心の末ようやくミラーサイトを発見しました。


「油日記」

http://naha.cool.ne.jp/wvwvwvw/z/index.html


ぁゃιぃ」で不特定の人たちによって連載されていた、苛められている一人の男が主人公のリレー式のインターネット日記小説で、「絶望の世界」もここから派生したようです。当時は大変な人気で、今でも伝説となって語り継がれているそうです。

ただし、不特定の人間が無理やり辻褄を合わせながら物語を紡いでいくため、やはりどこかで無理が生じたり、適当なことを書く人間が居たりと問題がありまして、それを何とか修正していく話も面白くはあるのですが、あまりにも「夢オチ」が多いかなと。まぁ、それもリレー式の醍醐味ですかね。


ところで、「ビアス」は「悪魔の辞典」で日記をこう定義しています。


『自分の生活の中で、自分自身に対して顔を赤らめずに物語ることのできる部分についての日々の記録』


つまり、我々が紡ぐ日記など、一番恥ずかしいことを除いて発言されているもので、もし日記に恥ずべき行動やらを激白したとしても、それを告白することによって「告白した自分は素晴らしい」というように自らの体裁を保っているだけで、たんなるナルシズムというわけです。故に、もし僕が苛められていたとしても、ここまでは書かない(或いは書けない)と思うので、なんとなくこういったものには非現実を感じてしまうのです。

小説だからそれも当たり前と言われれば当たり前なのですが。


何にせよ、「絶望の世界」の完成度には劣りますが、一見の価値はあると思います。