水曜日

食堂で出されるランチは決して美味しいとは言えないので、僕はいつもサンドイッチを教室で摘んでいる。ベーコンとレタスとタマゴ。今日もいつも通り音楽を聴きながらサンドイッチを頬張っていた。

その時なんとなく友人と話していると、いつの間にか映画の話になっていて、友人がスピルバーグを好きだというのに応えて僕は嫌いだと発言すると、お前は流行りものだとか皆が好きなものが嫌いなだけさ、と言われた。もっともだ。勿論そういった物が嫌いなのには理由がある。

これは一つの持論なのであるが、例えばスピルバーグの映画を観ていて、観客たちは皆同じ場面で笑う、甲高い声で笑う。そして同じように、観客たちは一斉に泣く、感動のシーンで。正直うんざり。

僕が本当に素晴らしいと思う作品は、泣いたり笑ったり怒ったり、そういった感情を喚起させるようなものではないと考えている。重要なのは、何故感動したか、何故笑ったか、自らの感情が起こる理由への思考だ。そのような思考を促す作品こそが素晴らしいと感じている。

ただ感動しました終わり、という作品に価値はない。