洋楽とか邦楽とか

最近学校で流行しているのがエアギターである。

今更何を、と思うかもしれないのであるが男子校の流行に対する疎さは折り紙つきで、どこぞの少年誌を読んだ学生達がしきりに我こそはポールギルバートである我こそはイングヴェイであると競って空想のギターをかき鳴らし、昼休みなどは演奏者を称える拍手が絶えず、演奏台と称された小さな教壇がカタカタと音を立てている。傍から見るとマリリンマンソンやらコーンのライブ宛らの狂騒である。

エアギターと平行してクラスの間では洋楽メタルが流行っている。ほんの少し前まではオリコンチャートを騒がしていたポップミュージックがヘッドホンから音漏れしていたとは思えないように、しきりにラプソディやソナタアクティカが宙を舞っている。不思議なものである。

丁度一年ほど前だろうか、私がプロコルハルムをアイポッドで効いていると友人の一人が私を何やら奇怪な生き物を見るような目つきで見てきた。その頃は確かレミオロメンという方々が世間を賑わせていたらしく、そういったものに疎い私は皆に馬鹿にされていた。時代の流れはレミオロメンでありプロコルハルムなど路傍に落ちたる犬の糞みたいな代物であると。

なるほど、今ではレミオロメンを聞く人間は音楽のオの字も知らない無知の人間である、やはり洋楽だ、それもメタルだネオアコプログレだ、ポップスなぞ死んでしまえ、マイケルジャクソンはファッキンポップ、マリリンマンソンはメタルとは認めない、ニューウェーブってなんてアーティスティックなの!


これがカウンタカルチャに侵される高校生の図ですか、と納得しました。