恋がしたい!恋がしたい!恋がしたい!

眠らない街も静まる夜更け過ぎ午前二時、突然けたましく携帯電話が鳴りまして、いったい何事かと思い電話と寝ぼけまなこで取ると、彼女いない歴=年齢の友人が異様なハイテンションで「恋がしたい恋がした恋がしたい!!」と叫んだ。私は一言「死ね」と言って切りまた眠りに落ちた。

クリスマスも近いこの時期、皆さん焦りだすのは判るのですが、後々彼に話を聞いてみるとどうやらそれだけではないらしい。彼はその直前に『痴漢男』なる漫画をWEB上で読んだらしく、それに触発された形で「(痴漢男みたいな)恋がしたい!」と叫んだようである。

なるほど、確かに『痴漢男』なる漫画を検索して読んでみるとこれが中々面白い。というか私もついつい「恋がしたい!」叫んでしまうほどロマンティックで淡い恋をしている。もしこれが現実ならばチャンスは我々にも!と思わせる何かがあるのである。それは電車男の二番煎じ的ではあるにしてもより一層なリアル感を孕んだものなのだ。

それから彼は毎日のように「俺、痴漢でもしようかな…」とか、「俺、図書館に毎日行くわ、それで女の子と偶然同じ本を取ろうとして手が触れ合うんだ」と一人で呟いている。私はそれを見て、あんな姿にはなってはいけない、と自分を戒めているのだが、どうも足が図書館に向き始めている。


そんな我々はクリスマスにディズニーランドにスーツで行くことになりました。スーツにサングラスでディズニーランドを歩いているむさくるしい軍団を見かけたらどうぞ暖かい目で見守ってあげてください。どうせそれを見ているあなたはカップルなのでしょうから、はい。

クリスマスなんか、大嫌い。